学会2日目、招待講演を行う予定だった海外の先生方、軒並み来日せず。
講演中止です。
地震が恐いのか、放射能が怖いのか...


まあ、しょうがないか...
学会中止よりはマシだもんね。
東京では学会自体中止になってしまったという話もちらほら聞きますから。


総合懇親会(学会参加者が飲み食いして親交を深めるパーティーです)も中止。
自粛です。
何か寂しいなー。

そんな学会でしたが、けっこう面白かった講演もありました。
美容外科を開業して約30年という先生の特別講演です。
変な事を書いてご迷惑をおかけしてもいけないので、お名前は伏せておきます。
もともと某国立大学の形成外科の講師をされていた先生ですが、
まだ美容外科なんて外道のする事だなんて思われていた時代に、
大学でのキャリアを捨ててまともな美容外科を目指した人です。
この先生がいなければ、未だに美容外科は魑魅魍魎のような医者の巣窟だったでしょう。
(とは言っても、やっぱり美容外科医の9割はロクでも無い経歴の持ち主ですが。)

美容外科というのは、簡単に言ってしまえば形成外科の中で保険の効かない領域です。
ちゃんとしたトレーニングを積んだ形成外科医なら、
当然美容外科の手術もきれいにできます。
それができなきゃ形成外科の専門医試験に通りませんので。
逆に、形成外科をちゃんと研修してない医者には、
まともな美容外科の手術はとうていできません。

形成外科医は美容外科医でもあるべきなのですが、
昔は形成外科医が美容外科医を名乗ることは、
恥ずかしい事みたいな風潮がありました。
だって、その頃の美容外科医といったら、
患者をだまして泣かせて大金をふんだくるといった極道みたいな医者がほとんどでしたから。
(『ほとんど』ね、『ほとんど』。立派な先生もごく少数いました。)

そんな時代に勇気を持って『美容外科医』を名乗り、
悪質な美容外科医と戦い続けて来た医者です。
そんな訳で、発言もちょっとラジカルです。

まず、まともじゃない医者の代表格として、
某美容外科の雑誌広告のスライドをバーンと出してきました。
包茎専門のチェーン店。
院長の顔写真が広告の中央に大きく出ています。
全国的に顔を知られた怪しい医者の代名詞みたいな人。
某力士の主治医の精神科医。
(この医者を精神科医と言っちゃったら、まともな精神科医は激怒するんだろうな。)
そして、自称美容外科医でもあります。
包茎専門の美容外科医(そんな美容外科医、表の世界には存在しません)だそうです。

大先生、やっぱり的確な人選をしてくれます。
その地方ごとに怪しくて有名な美容外科医は存在しますが、こいつは全国区だ。
会場中の医者が「おー」とうなって納得しました。

全ての形成外科医、まともな美容外科医、そして精神科医は
この医者の存在を非常に不快に思っているはずです。

不愉快な顔してるな、確かに。
「ソバを食ってる顔が不快」と婚約破棄されるだけある。
たぶん、本当の理由は違うんでしょうけどね。

そんな悪徳美容外科医たたきから始まった特別講演ですが、
美容外科医としての心得、
こんな患者さんには手を出すな、
小細工、ダマしの手術はするな、などなど、
聞いてて納得する事ばかりでした。
徳島まで行った値うちがありました。